一級土木施工管理技士の年収アップの方法と考え方

 建設・土木技術者の目指す資格で、一番人気かつ需要が多い資格は「一級土木施工管理技士」ではないかと思います。
 ゼネコン、専門工事会社、メーカー、建設コンサルタント(発注者支援等)、行政機関と活躍の場は多岐に渡ります。
 一級土木施工管理技士施工管理経験さえあれば、一生食べていけます。
 とはいえ、少しでも年収アップしたい、満足度の高い人生を送りたいという人のために、一級土木施工管理技士の年収アップの方法と考え方を解説します。

一級土木施工管理技士の年収相場(一般論)

 一級土木施工管理技士に関する統計データは少なく、年収データについても、公表されているものは存在しないようです。
 ハローワークで「一級土木施工管理技士」で検索すると1万件近い求人があります。
 一般に出ている求人データを見ると月給20万~60万くらいで大きな幅があり、平均年収400万円代前半というデータ(求人情報誌)があります。月給で30万くらいです。
 これって、妙に低い感じがします。
 どうして、そんな感じになってしまうのか年収相場についてのカラクリを考察してみます。

一級土木施工管理技士の年収相場の分析 

 一級土木施工管理技士は、毎年1万人強程度が合格します。平均合格年齢が30代前半で60代まで30年以上活動するとして、日本全国には、30万人程度の一級土木施工管理技士が活動していることになります。
 そして、一級土木施工管理技士の就業先と年収は以下の①~③の三つの層に分かれています。

①安定した大企業(上場企業等)、大手ゼネコン・メーカー、公務員等

 安定した組織に所属する人達です。年功序列のため年齢層によって年収が変わります。30代で500万~700万、最終的には800万~1000万以上の会社もあります。
この層は人材の流動性は低く、また、中途採用求人(特に40代以上)は、少ないです。

②地方、地場の中小企業~中堅レベル企業(建設会社・メーカー等)

 地場、地方の建設会社は、経営が安定していても、若手時代は300万~将来的にも500万位で頭打ちになってくる会社が多いです。
若手時代は、大企業と差が少ないですが、年齢とともに年収差が広がっていきます。
この層は、人材の流動性は高く、転職が盛んに行われています。 

③期間契約での就業 、施工監理 発注者支援等

   業務期間等に対して契約社員等で雇用される建設技術者の層です。
 組織に依存せずプロジェクトベースで動く、欧米等で見られる本来のエンジニア的な働き方ではあります。
 活動の場は、大規模プロジェクトの施工管理、CM、発注者支援等(施工監理)等多岐に渡り、活動範囲は国内、国外にも及び、人材の流動性がもっとも高いグループです。
 月収は20万~80万円(年収1000)クラスまで、レベルに応じた収入の幅が見られます。

 以上のように年収相場は、建設技術者が所属する層(上記①~③)と、組織内の立場によって決まります。
 一般に出てくる求人は、ほとんどが「②地方地場、中小、中堅企業」か、③の中でも「人材派遣的」な求人であり、給与年収レベルが低めの求人が多くなります。

一級土木施工管理技士の年収アップ方法


 上記の①~③の各層に属する人のために、年収アップする方法と注意点を解説します。

①安定した大組織に所属する人

 安定した大組織かつ年功序列で最終年収が1000万を超える企業に所属する人は、収入だけを考えると、現勤務先に留まる方がよいのかもしれません。

 年収アップには、組織内で、自分の地位や価値を高めることに注力する方がよいでしょう。
 さらに技術士等を取得し、キャリアも設計から施工まで幅広く積み、実務でも成果を出すことが重要です。また、社内政治も同じくらい重要で、上を立て、下を責めず、決して社内に敵を作らず、理不尽なことにも恨まず淡々と頑張りましょう。
 どれほど安定した組織でも、将来何が起こるか分かりませんが、こうした生き方をしていれば、いつ外に飛び出しても大丈夫です。
 参考コラム:年功序列・終身雇用はいつまで続くのか」(当社関連サイトに移ります)

②中小~中堅企業レベル企業

 年収が500万~600万で頭打ちになるような企業に所属している人は、現組織で、どれほど頑張っても、年収アップの可能性は低いでしょう。
 そこで転職する場合、「一級土木施工管理技士」の求人は膨大にありますが、その多くは、現職と同様の地方地場中堅クラスの求人です。年収は、現勤務先と大差がないでしょう。
 また、誰もが安定した大企業に転職したがりますが、こうした大企業は、中途採用は少なく、狭き門です。
 有名大学卒(院卒)良いキャリア(実務経験と能力)技術士保有等など高スペックな人は可能性があります。
 また、大企業に入社できても中途採用者は社内で壁を感じ、冷遇されることは覚悟しなくてはなりません。
 この層ができることは、よりよいキャリアを積み成果を出すこと技術士等の取得にチャレンジすることです。
現職で限界を感じているなら、良いキャリアを積むために、覚悟を決めてリスクを負って、挑戦的な転職等の行動をすることが必要です。

③期間契約での就業 施工管理、施工監理 発注者支援等

 既にプロジェクトベースの雇用で働いている人は、不安定で転職も多く、自分でリスクを負う世界に慣れていると思います。
 よくあるのが、少しでも年収の高い仕事を求めて転々とするやりかたです。このやり方でも上手くいく人も多いのも事実です。しかし、転職時に、現状より少しも年数ダウンを許容しないやり方はあまり戦略的ではありません。
 例えて言えば、押し相撲しかできない力士です。 

 報酬(給与、年収)というものは、基本的に、その人が出した価値(成果)に対して支払われるものです。
 年功序列の企業では、この傾向が当てはまらないこともありますが、プロジェクトベースの期間雇用では、その人の価値に対して報酬を支払う傾向が顕著です。
 だから、戦略的に長期的な年収アップのためにやるべきことは、「価値を出す能力」を上げることです。
 そのためには、年収が高い仕事を追い求めることのみではなく、よいキャリアが積めそうな仕事を重視することが重要です。また、常に能力向上や資格取得を行い、業務で成果を出すことです。
 常に挑戦を続けていくことが、結果的に高い年収に繋がっていくでしょう。
  参考コラム:「発注者支援求人の給与・年収相場について」

まとめ

 建設技術者、誰にも共通することは、「自分の価値を高めること」に集中することです。
具体的には自己投資として能力開発や技術士等のさらなる資格取得をすること、よいキャリア(実績)を積んで、仕事で成果を出すことです。
 そうした生き方をしていれば、何があっても大丈夫です。
 さらに、恵まれた大企業に在籍している人は、社内政治にも配慮し出世を目指すこと、中小企業の場合は、将来の可能性も見据えてリスクを負って挑戦的な転職等を行うことが必要です。
 プロジェクトベースで働く人は、選択肢が多いので、自分の価値を高めるために、よりよいキャリアを求めて、環境を変えていくことが必要でしょう。
 いずれにしても技術力さえあれば、比較的自由な生き方が追求できる点が建設技術者のメリットだと思います。
 
 ご参考になれば幸いです。

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