ゼネコンから発注者支援への転職(施工管理→施工監理)の留意点

ゼネコンから発注者支援への転職を考えている人向けのコラムです。

ゼネコン出身の発注者支援技術者は多数派 

発注者支援技術者は、立場的には、建設コンサルタント会社の社員になります。
 実際の発注者支援の技術者は、かつては建設コンサルタント出身者が多数派でしたが、現状は、ゼネコン出身者がかなりの比率を占めています。
 理由は、一つには、建設技術者の内、ゼネコンの方が建設コンサルタントより圧倒的に従事者数が多いという点、もう一つは、ゼネコン大手中堅クラスを中途退職すると、大手中堅クラスは、中高年の中途採用が少なく、中小ゼネコン等が転職候補になりますが、その場合、条件面で厳しくなる点が挙げられます。
 そんな中で、発注者支援は、年収もよく(上場企業正社員クラス)、労働条件も土日は基本休めますし残業もゼネコンほどは多くありませんので、転職先として人気があります。
 超大手ゼネコン出身も含めて、多くのゼネコン出身者が活躍しています。

ゼネコン出身者が発注者支援業務において力を発揮できる点

 ゼネコンと発注者支援の仕事・立場の違いは、簡単に言えば、今までの乙の立場(請負側)が、甲の立場(発注側)に代わり、工事が発注仕様(図書)通りに施工されているのか、品質、出来高等を監理する仕事になります。
 →施工監理へと立場変更するわけですので、現場事情に精通したゼネコン出身者は、工事監督支援などの業務において力を発揮できるでしょう。
 また、技術審査や積算などにおいても現場経験豊富な人材が不可欠であると言われています。 

身につけておいた方がよいスキル

  ゼネコン出身者が、発注者支援業務において苦労する事項について説明します。
 発注者支援においては、発注図書作成時等や変更時において、図面・数量等の修正が必要になり、この時にCADやエクセル等の基本スキルが求められます。
 最低限のスキルを身につけていた方がよいでしょう。
 ゼネコン時代に設計部門での経験豊富な人などは、最初から活躍できます。
 現在の、若手はほとんど問題ない人が多いですが、中高年で実作業から離れていた人は、IT基本スキルが不足している場合があります。
 ※チームで動きますので、最低限の基本スキルがあれば、その後は働きながら、覚えていけばよいので、心配しなくても大丈夫です。何とかなります。

ゼネコンに比べて発注者支援業務は楽か

    多くの人が、発注者支援業務の方がゼネコンより楽だと答えます。
 具体的には、発注者支援は「みなし公務員」であり公務員に準じた働き方になります。
 残業もさほど多くなく、土日は基本的に休めます。
 また、監視される側から監視する側への転身であり、精神的負担も少ないと聞いています。
 工事の工期や品質、利益のノルマに追われ、昼間は現場の面倒をみて、夜に施工図書作成や、下請けの手配等に追われていたような人にとっては、身体的にも精神的にもだいぶ「楽」というケースが大部分です。

発注者支援のきつい点(留意しておくべきこと)

  ゼネコン出身者が困惑したり適応に苦しむ可能性のある点について、述べておきます。
 ベテランの技術者は、現場の主として、部下、業者に指示し業務を行ってきた人も多いと思いますし、上場企業等で社会的ステータスも高かった人もいると思います。
 発注者支援業務は、建設コンサル、ゼネコンなど多くのバックボーンを持った人達が集まっていますし、立場は、行政組織内のヒエラルキーの末端になります。
 発注者支援業務は、こうした多様な人材がチームとなって、行政職員と一緒に、工事完成といった大きな目標に向かって活動することになります。
 それぞれの得意分野等を補完し合って、協調して、業務を進める必要があります。
 採用側が一番気にすることは、技術者の協調性です。
 ステータス感を捨てられず周りを馬鹿にしたり、行政の指示に従えなかったり、些細なことにこだわりを見せ、小さな妥協ができないとトラブルの原因となります。
 
 独立、起業等経験した立場から言わせていただくと、独立したものの「俺は元○○社」というステータス感を捨てられずに、消えていった人をたくさん見て来ました。
ステータス感やプライド、あるいは、他人と自分の優劣等の比較をすることは、何の意味もないことです。
転職当初は、ステータス感の喪失や、不慣れなことからの多少のネガティブなことが起こる可能性があります。
 ゼネコンと発注者支援の立場は違っても、建設技術者として価値を提供して報酬を受け取るという「プロ意識」をもって、仕事をしていれば、いずれそうしたことは気にならなくなるはずです。

おわりに

 今後、発注者支援の活動領域もますます広がり、CMやPPP等のよりマネジメント的な分野も増加していくでしょう。
 組織に依存せず、建設技術者が、行政(発注者支援)、ゼネコン、建設コンサルと自由に動いてキャリアアップが積める時代が近づいています。
 皆さん、将来に希望を持って頑張りましょう

 ご参考になれば幸いです。

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